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2022.06.14
7年ぶりの一般公開となった大徳寺塔頭の孤篷庵(こほうあん)へ。
開基は小堀遠州によるもので「孤篷」という号は舟を意味しており、出身地の近江長浜の琵琶湖からの縁故だそう。
本堂を入ってすぐに迎えてくれる前庭はまさに琵琶湖。砂の波紋は湖面となり直線の刈込籬(まがき)が水平線としてみなされる。
正面左手に見える船岡山をさながら湖面を走る大型の舟に見立てられた見事な計画であったそうです。
いまでは高い建物が立ち並び、当時のようにはいきませんがなんとまぁ美しい企てなのだろうと思います。
私が特に気に入った場所は本堂の北西に位置する重文指定の忘筌席(ぼうせんせき)という茶室。
庭からの反射光と高い位置にある障子からの拡散光により暗い室でありながらも個々人の顔は認識できるというもの。低く横向きに差し込む光量が一番多いために人の表情がよく分かるようになっています。
天井に貼られた杉板が白い胡粉(ごふん)で磨かれており、わずかに白く木目が浮き出ていて、それがあたかも波が揺らいでいるようにみえるという演出になっています。
白は遠州のテーマの色であるそうで、白い胡粉の天井に白い漆喰の壁で作られた茶室でした。
ちなみに利休さんは黒、織部さんは緑だよということで、それは確かにそうだ。
説明を受けなければ気付かずにただ眺めて過ごしてしまいそうなほど至る所に繊細な企てが散りばめられた空間でした。きっと気付かずにそれでもいいのだろうけど、知識があるとより楽しめるし小堀遠州という人物の底知れぬ巨大さに慄く思いでした。
よくブランドのロゴに込められた思いや事業のコンセプトなどを見たり聞いたりすることがあるけど、なんだろう。
意味が込められているという点では同じだけど、到達点をどこに設定しているかという次元が違う気がする。どちらが優れているということではなくてね。
シンガーソングライターの山下達郎さんが制作方針について「風化しない音楽を作ること」ということをインタビューでおっしゃっていて、何か通ずるものがあるのではないかと思いました。世の中に数多ある事業が掲げるバリューの大半が耐用年数が短いものばかりなのでは?と思ってしまったり。
多分だけどそれを他者が勝手に引き継いでいってくれるものかどうかなんだろうなぁ。
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